テレビのCMとか雑誌で見る女優さんやタレントさん、モデルさんの浴衣の衿って、きれいだと思いませんか?
街でみる浴衣姿はとってもかわいいけど、ほとんどの方の浴衣の衿は、くしゃっとなってます。もともと湯あがりや夕涼みに着る浴衣ですから、衿は自然体で全然構わないのですが、CMや雑誌で見る浴衣みたいに衿をきれいにしたいなって思ったら、きれいな衿に出来る方法があります。
とても簡単なことです。着物を着るときには必ず使っている、ある物を使います。それは衿芯です。着物を着たことがある方なら、1つくらいは箪笥の引き出しかどこかに入っているんじゃないでしょうか。家にはなくても、お母さまやおばあちゃまがお持ちかも知れません。その衿芯を使えば、浴衣の衿が格段にきれいになります。
それでは、浴衣の衿芯をどうやって使うかを書いていきます。
浴衣の衿芯の使いかた
衿芯を入れる部分は、下前の衿の裏側です。この場合の裏側は、浴衣を着た時に身体に触れる側になります。
衿の部分のかけ衿の端の裏側の縫い目をほどきます。
掛衿は、衿の上に別布をかぶせて縫いとめてあるので縫い糸をはさみで切ります。写真は糸切りばさみを使っていますが、普通のはさみでも糸は切れます。
浴衣によっては掛衿を別布で付けてないものがあります。その場合は糸を切っても、中で布がつながっています。つながっている部分の布をはさみで切ります。
下前の衿裏ならば、はさみで塗ってある部分や、布を切ってしまっても差し支えありません。お洗濯やクリーニングも普通にできます。
ただし、縫い目をほどくことや、布を切ることに抵抗があるなら、やめておきましょう。衿芯を入れなくても浴衣を着ることはできます。
衿芯が入る場所が確保出来たら、衿芯を入れます。
衿芯を入れた後、糸で縫いとめる必要はありません。
浴衣を脱いだ時は、衿芯を忘れずに抜いておきましょう。その際、掛け衿の部分をもう一度縫って元の状態に戻す必要はありません。お洗濯もそのまま出来ます。
衿芯を抜かなければいけない理由は、衿芯をそのまま入れて浴衣をたたんでしまうと、衿芯に折り目がついてしまうからです。衿芯に折り目がつくと次に使う時、衿がきれいになりません。面倒でも衿芯は抜いて下さい。
次に浴衣を着る時は、糸(布)を切った部分からまた衿芯を入れて着ます。
衿芯は、折り曲げてしまうと折り目がついて使えなくなります。折らずに長いまま引き出し等へ入れて収納します。
私はヘアスプレー缶のキャップを利用しています。折れずにわりとコンパクトに収納できますし、持ち運ぶときも折れません。くるくると丸めてキャップの中に入れるだけです。
ただし、くるくるになっているので、使う時は一度反対巻きにして使ってます。
家には衿芯なんてないわ、って言う方でも大丈夫です。衿芯はそんなに高いものではありません。どこの着物屋さんにも売ってます。以前、着物屋さんに行って衿芯だけ買うのはちょっと…って言う方がいらっしゃいましたので、その方にはインターネット通販をお勧めしました。送料がかかる場合もありますので、交通費や時間と天秤にかけるといいと思います。