縮緬について

この記事の目次

縮緬は生地の名前です。
経糸に無撚の生糸、緯糸に右撚り、左撚りの強撚糸を使って織られた織物です。

生地を織った後精錬します。その時に強撚糸が撚りを戻そうとします。それにより布の表面にしぼが出来ます。見た目も手触りも凸凹していますが、やわらかい生地です。

精錬とは、絹に付着している不純物であるセリシンやニカワ質をきれいに洗い落す行程です。この工程により光沢のあるきれいなやわらかい布になります。

縮緬は肌触りがよく、しわになりにくい生地です。また染めむらが目立ちにくい特徴があります。欠点としては、縮みやすいことがありますが、この欠点をカバーする為に縮まない縮緬が開発されています。
変わり無地縮緬や精華縮緬などは縮まない縮緬にあたります。

縮緬の産地は、丹後や長浜です。丹後で織られたものを丹後縮緬、長浜で織られたものを長浜縮緬といい、それぞれ産地をつけた名前で呼ばれます。

一越縮緬(ひとこしちりめん)

経糸に無撚の生糸、緯糸には右撚り、左撚りの強撚糸を一越しずつ交互に織りこんで平織りにした後精錬してシボを出した縮緬織物です。

緯糸の撚りは1mの間に2500~4000回転の撚りをかけています。
経糸は1本、2本と数えますが、緯糸は一越、二越と数えます。
一越縮緬は右撚りと左撚りの糸が一本ずつ交互に織りこまれている生地です。

縮緬と言えば二越縮緬でしたが、二越に比べて一越は縮みにくいとされました。
現在ではもっと縮みにくい縮緬が開発されています。そのため生産量は減少しています。

二越縮緬(ふたこしちりめん)

二越縮緬は古代縮緬とも言われます。
経糸に無撚の生糸、緯糸には右撚り、左撚りの強撚糸を二本(二越)ずつ交互に織りこんだ縮緬織物です。

一越縮緬が現れる大正から昭和初期までは縮緬の主流でした。
二越縮緬と呼ばれるようになったのは、一越縮緬が生まれてからです。
それまでは古代縮緬と呼ばれていました。

風合いがどっしりしていて、しぼ立ちが大きいのが特徴です。
緯糸に太い糸を使って、より大きなしぼが現れたものを、鬼しぼ縮緬と呼ばれます。
本来鬼しぼ縮緬は四越以上のものをさしましたが、今ではほとんど織られておらず、緯糸に太い糸を使った二越縮緬が鬼しぼ縮緬となっています。

変わり無地縮緬

経糸に無撚糸、横糸には「変わり撚糸」を使った縮緬織物です。
知事まない縮緬として使用されています。

変わり撚糸は、糸そのものの外観がシボに見えるように加工された糸です。
撚りのかけ方の一例は、まず左撚りをかけます。これと別の糸1本をひきそろえて更に逆方向に右撚りをかけます。

縮緬は無地だけではなく地紋が入っているものもあります。
次回はそんな地模様のある縮緬についても書いていきます。

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コメント

  1. ミヤタマ より:

    桜様
    ブログに訪問頂きましてありがとうございます。
    また、ご指摘頂き重ねてありがとうございます。
    写真確認しまして入れ変えました。
    情報を発信する者として最新の注意を怠っておりました。
    申し訳ございませんでした。