繊維の種類と特徴

この記事の目次

繊維には天然繊維と化学繊維があります。
天然繊維には、植物繊維と動物繊維があります。
植物繊維は綿、麻などで、動物繊維は絹や毛などです。

綿

綿は断面を顕微鏡で見ると中が空洞になっています。
そのため保温性があり、吸湿性もよく染料が染み込みやすい繊維です。
綿の繊維は細くて長いものが高級とされています。
中でも最良とされているのがシーアイランド綿です。

海島綿(シーアイランド綿)
アメリカ島南部および沿岸諸島、西インド諸島が産地です。細くて長くてやわらかく、また光沢があり最高級の綿です。

エジプト綿
エジプトのナイル川流域が産地です。
シーアイランド綿に次ぐ良質な綿です。

米綿
海島綿を除いたアメリカ産出の綿の総称です。
エジプト綿に次ぐ良品で、最も生産量の多い綿です。

インド綿
インド各地で生産されます。
やや淡褐色です。
太くて短いため太糸に用いられます。

麻は水や摩擦に強い繊維です。水分の吸収や発散が早いので夏に着用する生地として適していますが、保湿性が少なく、繊維が固い、あとはしわになりやすいという短所もあります。

麻の代表的なものは、亜麻、苧麻、黄麻等ですが衣料用としては亜麻と苧麻が用いられます。

亜麻(リネン)
繊維の長さが2~3㎝と比較的短く細いためやや綿に似ています。

苧麻(ラミー)
繊維の長さは2~3.5cmと太さがバラバラです。
ハリがあって、麻らしい繊維です。
植物繊維の中で最大の強さですが、柔軟性はないのでしわになりやすいのが特徴です。

最も多い毛がヒツジからとったウールです。
そのほかには、カシミヤ、アンゴラ、ラクダ、アルパカなどがあります。
羊毛の中で最良のものはメリノ種です。

羊毛の表面は麟状のスケールでおおわれています。
繊維の長さは10~30㎝、太さは10~50ミクロンです。
特徴としては縮れてカールしているため弾力があり、しわになりにくい繊維です。
また保温性、吸湿性がよく冬物の衣料としておおく用いられています。

蚕が作った繭からとれる繊維です。

絹は天然繊維の中で唯一の長繊維です。
1つの繭からとれる繊維の長さは1000m以上あります。

糸にする時は数本引きそろえて生糸にします。

絹には、長繊維である生糸、真綿から紡いで糸にする紬糸があります。
そして、もう一つ絹紡糸という糸があるのです。

絹紡糸は読んで字のごとく、絹を紡績している糸です。
これは、途中で切れてしまった糸などを集めて機械紡績して糸にします。
絹100%ですが、長繊維ではないのでけばだちをおこします。
和服地としては、粗悪品の部類に入るのですが、見た目や手触りでは分かりません。
着物として着ていたら、なんとなく白っぽくけばだってきます。
これがあるから、着物は信用がおけるところからしか買えません。

絹は断面が三角形をしています。
そのため光沢があり、細くてしなやかなうえに吸湿性、保温性に富んでいます。
絹は繊維の中でも最高級の繊維です。

着物を着るなら、やはり絹のしなやかさ、やわらかさ、光沢がいちばんですが、和服地は絹ばかりではありません。それぞれの繊維の特徴を知って、そのよさを楽しみながら、着物を楽しんでいきたいと思います。

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