お正月休みに実家に帰ったので、着ていない着物の整理をしました。
たとう紙を開くと、懐かしい着物が出てきます。
今の年齢ではもう着れないなと思う派手な色目の物や、散々着て、袖の部分や裾の八掛がすりきれているものもあります。
お洋服ならば、不用品として捨ててしまうものでも、着物となるとなかなか捨てることができません。
二次利用などの方法もありますが、なんとなく他の物に作り直す気になれないのが着物というものなのかなと思ったりするのです。
私たちの生活の中で、衣食住は大きな三本柱と言えます。
衣生活、食生活、住生活の3つをまとめて衣食住と言いますが、疑問に思っていたことがあります。
なんで、衣が最初にくるんだろう?
まあ、そんなことはどうでもいいと言ってしまえばそれまでなんでしょうが、最初にくるものが最も大事だと思うので、そこに食ではなく衣がくることが不思議に思えたのです。
これは、歴史を勉強していくうちに納得できるようになりました。
昔、昔、大昔、人間の肌は毛でおおわれていました。それが進化というものによって、二足歩行をするようになり、体を覆っていた体毛も薄くなりました。
そうなってくると、肌が直接さらされます。
寒ければ、凍えたり風邪をひいたりして病気になってしまいます。
暑ければ、日焼けというやけどをしたり、あせもや皮膚疾患につながります。
外には生い茂った木や、葉のとがった植物があります。
鋭い牙や爪をもった動物がいます。
そういう危険から身体を守るために、木の葉や、動物や魚の皮を身にまとったりしました。
それが、衣生活のはじまりです。
衣がなかったら、きっと生きていきにくいのでしょう。
衣があれば、狩りもしやすいでしょう。農耕の作業もはかどるでしょう。
そういった意味で、食よりも前に衣があるのだと、私は解釈しています。
現代の衣生活は楽しくゆとりある生活の為に衣生活が行われるとされています。
そういった意味合いならば、着物を着ることがたのしくゆとりある生活になるのは間違いないと言えるでしょう。
最近流行りのレンタル着物なら、管理も購入計画も被服計画も必要はありませんが、自分で着物を求めようと思えば、まず計画をたてます。
素敵だからとか、好きだからという理由で着物を買ってしまうと後で後悔をすることになります。
計画 衣生活の設計、計画をたてる
購入 着物の購入、仕立てなどの加工をする
着用 着る、利用するなど
整理 手入れをする、洗濯や仕立て直しをする
保管 着物を保存する
処分 不要になった物を始末する
着物だけではなく、普段の洋服にも当てはまります。
「フランス人は10着しか服を持たない」という著書が話題になったことがあります。
そこまで徹底的にするのは難しいですし、生活が違うのでムリなこともあるでしょうが、計画をたてて衣生活を管理するようにすると、無駄が省けてものを大事にするようになるんじゃないでしょうか。
話が長くなってしまいました。
実際に着物を買う時、どんなことに気をつけたらいいのか。
次回はその辺りのことについて書かせて頂こうと思います。