文様の歴史 いにしえの文様につけられた名前とその意味

私たちが何気なく見ている文様、着物の上に描かれていたり、地模様として織り込まれているその文様の多くは、はるか昔に発祥し、意味を持つものも少なくありません。

文様は衣服だけではなく、調度、建造物、陶器など、あらゆるものにつけられています。
遠い昔に作られて、今なおその形を現在に残している文様には、その時代に生きた人たちの生活が現れています。
文様は深く理解すると、その時代の生活がわかってくるほど重要な存在です。そんな文様が施された着物だから、素敵で、多くの人に愛されるんだと思います。

縄文、弥生。古墳時代の文様について
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文様の歴史は、縄文時代の土器につけられた縄目文様が始まりとされています。
縄文時代の名称は、まさに縄文様が一般的だったこの時代を表しています。
身近にある物を使って、模様を作り出したその知恵は、縄文時代からすでに人間に備わっていたんですね。縄文時代の後期には渦、斜線、円や菱、山の形をかたどった山形文なども生まれています。
土器が残っていることによって、その文様の歴史が知られることになりました。
いにしえの人々は後世に残る、すごいものを作り、そして残しています。

縄文時代の文様は縄目だったということは、その後現れる織物が、縄文時代にはまだ存在していなかったという意味を持っています

弥生時代には、人物や動物、鳥などの身近な物を絵画的に文様にしたものも現れました。
その他、流水、三角、格子紋なども、この時代の土器や銅鐸に残されています。
弥生時代は織物の始まりの時代とされています。農耕によって、一つの土地に定着しての生活が始まり、それまで意識されていなかった装飾があらわれた時代でもあります。

古墳時代には、さらにたくさんの模様が生まれていることが、古墳の出土品によってわかっています。
文様が複雑になり、鳥獣、車馬、家屋文や、花文、魚文等の他に唐草文や忍冬(にんとう)文など大陸の影響を受けている文様も見られます。
また、組合せの文様も多く残されています。唐草と動物、唐草と花、双獣、双鳳などがそれにあたります。

縄文・弥生・古墳時代は紀元前3,000年から紀元後593年にあたり、初期の文様は稚拙ではありますが、力強く、新鮮で、創意工夫が見られます。何事にも基礎があるように、文様にも基礎があります。文様の基礎は出芽期と言われるこの時代に生み出されたものに、間違いありません。

私たちが今も使う文様はこの時代の人々のによってつくられ、残されてきました。これ以降文様はその数が多くなり、複雑なものも増えていきますが、シンプルイズベストで、基礎となる幾何文様は、今でもコーディネートしやすい文様であると言えます。

パソコンなどない時代に描かれた模様なのに、複雑なものが出来たのは、とても不思議に思います。時代を追いながら、文様について知っていくと、より着物が好きになっていきます。
これから少しの間、文様の歴史について書いていこうと思います。

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