年配の方の着物の着方のポイント

前回の記事で、若い方の着物の着方のポイントについて書きました。
今回はそれに対して、年配の方の着物の着方のポイントについて書かせて頂きます。

一昔前のおばあちゃんといえば、もうほんとにお年寄りという感じでしたが、最近のおばあちゃんは、みなさんお若いなと印象があります。
「孫がいるのよ」と聞いてえっと思うこともけっこうあります。
年配の方と言いましても、元気でおきれいで、はつらつとした方がたくさんいらっしゃいます。

そういう意味では、年配の方の着物の着方のポイントは、一昔前とはずいぶん変わってはきているのだと感じます。
それでも、やはり若い方とは違ってきます。年齢相応の落ち着いたきものの着方をしているほうが、上品でステキに見えると思っています。

スポンサーリンク

着方のポイント 年配の方

%e7%9d%80%e7%89%a9%e3%81%8a%e5%b9%b4%e5%af%84%e3%82%8a

衿元
衣紋はやや多めに抜きます。
衿元はゆったりと合わせます。
普段着の場合は、楽に楽に着ますが、礼装の場合は衿元はややつめ加減に合わせます。

おはしょり
おはしょりの長さは、年齢によらずほぼ人さし指の長さがきれいです。
昔はやや右上がりに整えていましたが、現在は右も左も同じ長さで、おはしょりの幅は一定に決めます。

おはしょりを右上がりに整えていたのには、訳があります。
時代をさかのぼると、着物は以前日常着として着られていました。今のようにきれいに着るよりも、手早く、楽に着る方が優先されていたように思います。

そうすると、着物の寸法がきちんと自分の身体にあっているほうが着やすくなります。ですから身丈が今のように長めでなく、ぴったりサイズということが多く、裾線を決めて、下前、上前と合わせて腰紐を結べば、おはしょりはその時点でちょうどいい長さになります。

腰紐から下はまっすぐなラインです。衿元を見ると斜めになっています。
着物全体のラインはまっすぐですから、おはしょりの部分は左側が長くて、右側が短くなるのです。この場合の右左は、自分から見ての左右になります。

文字で書くとわかりにくい部分もありますが、ここが理解できていたら、着物を着る時も、着付けをする時も、きれいなおはしょりを作ることができます。

上前幅
右腰骨を目安に決めます。
絵羽模様の着物の場合には、柄の中心が身体の中心にくるようにします。

裾線
普段着の場合は、後ろの裾線はくるぶしが隠れる程度、前は足袋の甲すれすれの位置です。後ろから見た時に、足袋が少し見えます。

礼盛装の場合は、後ろの裾線は床すれすれです。こちらは後ろから見た時には足袋が見えません。前は普段着と同様足袋の甲すれすれに決めます。

帯の位置
帯はやや低めに巻きます。お太鼓の位置も低めがきれいです。
帯締めも帯幅の中心よりやや低めがいいとされています。

ポイントは、あくまで目安です。
着物を楽しく着るには、自分の楽な着方で着るのがいちばんです。
鏡を見て、自分で「好きだわ」って思える着方があれば、それがきっと一番似合ってるきものの着方だと思います。
自分の着物スタイルを確立して、着物ライフを長く楽しめるのって、とてもステキだなって思います。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする