着物の文様 慶事の柄と弔事の柄

着物や帯には、様々な文様が施されてます。
お洋服ならば、デザインでシルエットが変わってきます。例えば、スカートの長さは、ロング、ミニ、ひざ下等いく通りもあります。スカートかパンツかも選べます。

ですが、着物の形は一つです。振袖だけは袖が長いですが、留袖も訪問着もつけ下げも、紬も小紋もみんな形は同じです。帯も名古屋帯と袋帯で、長さの違いはあるものの、お太鼓結びをした時は、後ろから見た形はほぼ同じになります。

着物や帯は、文様をつけ、色付けされることによって格も雰囲気も好みも変わってくるんです。
文様には四季折々の風景や植物、動物、幾何学文様など数多くあり、昔から使われてるものもあり、今現在新しくうまれてくるものもあります。

特に昔から使われてる文様の中には意味の込められたものもあり、その意味にはこういう場合に用いてはいけないものがあったりします。
それが、慶事の柄と弔事の柄です。

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慶事の柄と弔辞の柄

慶事の柄
おめでたい柄といわれる柄です。着物の世界では吉祥文様(きっしょうもんよう)と呼ばれます。
代表的な慶事の柄には、四君子(梅、竹、菊、蘭)、扇面、松竹梅、鶴、亀等があります。

四君子は中国の故事にならった文様です。

四君子

吉祥文様は慶事に使われる柄です。慶事の正礼装である、ミセスの留袖や振袖には多く使われます。
正礼装だけでなく、略礼装の着物にも吉祥文様が使われますので、慶事の席に着る着物を選ぶ際の一つの目安として、吉祥文様を頭に置いておくといいと思います。

吉祥文様の柄は、目につきやすいので比較的目立ちますが、気をつけなければいけないのが、色無地の着物です。
色無地の着物は一色染めなので、柄はありません。では、何に気をつけなければいけないんでしょう?

それは、色無地の着物の地模様です。
慶事に着る色無地ならば、地紋には吉祥文様の入った着物を選ぶと、よろこばしい気持ちが表現されます。
よくわからない場合は、縮緬地などの無地がいいと思います。

弔事の柄
弔事の柄と書きましたが、弔事の時のみに用いる柄は聞いたことがありません。
弔事の場合、吉祥文様は避けます。着物や帯につけられている文様、着物や帯の地紋にも注意しましょう。

喪服や黒共帯、色無地等が弔事のきものにあたります。
喪服や黒共帯を作る場合は、呉服屋さんがちゃんとわかって下さってるので大丈夫だと思いますが、色無地を作る場合、弔事に用いる為ならば、吉祥文様を避けて、無地や、慶弔どちらにも使える柄を選ぶといいでしょう。

慶弔共に用いられる文様としては、波、雲、流水や紗綾型などがあります。

その他の柄
伝統的で格の高い柄として、有職文様や正倉院文様などがあります。

有職文様は平安時代、貴族の調度品や装束に用いられた文様ですので、礼盛装用の着物にも多く使われています。
代表的な物には、亀甲、鳳凰、七宝、鶴雲、立涌などがあります。

正倉院文様は正倉院の御物に多く用いられる文様です
宝相華唐草(ほうそうげからくさ)、花喰鳥(はなくいどり)など空想的な動植物文様はエキゾチックです。
その他 、その他厄払いの柄として、亀甲・ウロコ柄・青海波などがあります。
厄除けの柄を着物や帯につけることによって、身を守ると昔から言われています。

有職文様や正倉院文様については、後日、さらに詳しく書いていこうと思います。

着物の文様は奥が深いです。
施されている柄だけでなく、地紋も一度ゆっくり見てみてください。
お手持ちの着物に新しい発見があるかもしれませんよ。

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