この先生の作品いいなあって思った時に、お願いして作ってもらうことがあります。
以前書いた、朝顔の名古屋帯もそんな出会いでした。
以前書いた記事です。 ⇒ 朝顔の帯の記事
10月に入り、着物が袷になりました。それに伴い、帯も冬帯をしめています。
単衣から袷になり、第一週目に着たのは更紗の小紋でした。
秋をイメージできる、茶系の小紋にあわせたのが、黒地の名古屋帯です。
柄は、うさぎ。
この帯は和紙で柄が施されています。
和紙なのではがれてしまわないかしら?と少し心配しましたが、作家の先生が「大丈夫です」とおっしゃったのを信じて求めました。
帯地の色は、何にでも合わせやすい黒地にして頂きました。
更紗にあわせたいことをお伝えして、私のイメージでその年の干支でお願いしました。
あとで更紗の着物のはぎれを送るので、それにあわせた帯をお願いしますと言って、柄もレイアウトも、デザインも全てお任せしました。
不思議なんですが、今まで、着物も帯も0から作って頂いたことが何度もありますが、あーこれは大失敗したと思ったものは一枚もありません。
そういう意味では、恵まれてたなと思います。
全部お任せして、作品が出来上がってくるのを待つのは、楽しみである一方、冒険でもあります。
着物ですから、安い買い物ではありません。
出来上がったものを身体にあてて、顔写りを見て、帯も合わせて、これならいいと決めて求めるのと、まだこの世の中にないものを求めるのとでは、大きな違いがあります。
まだ出来ていないもの、見てもないものにお金をお支払いするには、けっこう勇気もいるのです。
先にも書きましたが、私はまだ一度も気に入らない作品に出合ったことがありません。
作家の先生とよくお話しをして、コミュニケーションがとれて初めてこちらの意向も伝わるのだと思っています。
この仕事をしていてよかったなと思います。
着物や帯の作り手と会話を交わし、質問をして、いろいろ教えて頂くのは、とても勉強になります。
私は講師の立場ですから、生徒さんに伝えることもしっかり聞いておかなければ、ウソやごまかしになっては薄っぺらいことになってしまいます。
ですから、作り手の作家先生も私たちに、しっかり教えてくださいます。
時には、オフレコ話も出てきたりしますので、とても面白いです。
名古屋帯に自分の名前を入れてもらう
うさぎの帯のお太鼓の部分です。
紫の部分が肝です。
更紗に少しだけ、紫の柄が入ってます。よく見ないとわからない程度の分量です。
その部分をとりいれて下さったんです。
更紗の上にしめた時に、その色同士が引きあうんでしょうね。
なんともあの多彩の小紋にこの帯がよくあいます。
前のお太鼓の部分です。
反対側の柄には月がありません。
そして、作ってもらうことの、これが醍醐味です。
たれに、私の名前が入ってます。
お太鼓を作った時には隠れる位置ですので、見えないおしゃれです。
これから袷の季節は長いので、着物のおしゃれがたくさん楽しめます。
式典やパーティーもあり、楽しみな楽しみな期間がスタートです。
みなさんもぜひ、着物を楽しんで下さいね。
ひんやりとしてくるこの時期が、着物を着るのにはやはり快適だと思います。