新年1週目の装いは色無地でした。

新年明けての1週間、教室では色無地で授業をします。
これは恒例で、普段礼装で授業をすることはありませんが、年明けの一週目だけは色無地着用で授業に臨みます。
この時ばかりは紋付きもOKとなるので、普段はお見せしない姿を生徒さんにお見せするということになるのです。

というわけで、私も一つ紋つきの色無地を着用しました。
合わせたのは袋帯です。
字に金箔が施されていて、刺繍と金糸、そして扇面というめでたく、新年にふさわしい柄の袋帯です。

この色無地も、袋帯も年に一度しか着ません。
一般的に色無地は用途の広い着物です。
袋帯を合わせれば略礼装になります。名古屋帯を合わせれば盛装となります。派手な色目でなければ黒共帯を合わせると半喪の装いとなります。
一枚持っていれば重宝する着物に間違いありません。
お茶をされる方、踊りをされる方など様々な和の趣味や道に携わる方であれば、着る機会がより多い着物だと思います。

何度か書いてはいますが、色無地は着るのが難しいきものでもあります。
それは、しわやあらが目立つからです。
小紋や模様のある着物ならば、しわやあらは柄の中にかくれてしまい、そう目立つことは少ないのですが、色無地はしわやあらがくっきりと見えてしまいます。

着物の着付けについてよくわかる方なら、着方についての良しあしがわかってしまう着物です。
ただ、以前から書いているように着物をきれいに着るということは、着物を着るということについては重要視せずに、まず着物を着ること、着て出かけることを一番にと考えていますので、色無地が着にくいことはそんなに問題ではないと思ってます。

自分自身にあてはめると、着付けを教えてる立場ですから、きれいに着ることができてあたりまえということになります。
それが紬であれ、小紋であれ、色無地であっても、着物の違いできれいに着れたり着れなかったりということがあってはいけない立場です。

本音を書きますと、年末年始は教室がお休みです。プライベートをのぞいては2週間全くきものを着ません。
ほぼ毎日のようにきものをきていても、2週間あいてしまうとなんとなく着づらい感があることも事実です。
そこで着るのが色無地ですから、一種の試練のようなものを感じずにはいられません。

着替えながら、なんだかしっくりいかないなと思います。
いつもは一度で決めてさっと着替えが終わるのに、色無地だと確認するポイントが多いのと2週間ぶりの着物だからという理由で、いつもより着替えに時間がかかります。

それでも通しで着た一週間目は感も手もすっかりもどります。
こうして毎年一年が始まります。

きものは着れば着るほど体になじんできます。
1回より2回、2回より3回と数を重ねるうちにきものがより似合うようになってきます。
ぜひきものを着る機会を一回でも多く持って頂きたいと思います。

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