振袖の帯結び 基本の一つからのバリエーション

1月はお正月からテレビで着もの姿をたくさん見ました。
第二月曜日は成人式で、この日もたくさんの振袖や羽織袴姿を見ました。
そう、1月は着物を見る機会が多いんです。

この流れできものを着て出かければ、違和感なく街中に溶け込めるのがこの季節だと思ってます。

成人式は終わりましたが、結婚式場では振袖の着付けをすることがたくさんあります。
成人式は20歳のお嬢さんですが、結婚式場の振袖は20歳の方がお召しになるとは限りません。

華やかな帯結びをするのはもちろんですが、そのお嬢さんの雰囲気に合わせるとあまりにも派手な帯にはしないほうがいい場合もあります。

振袖に使う袋帯は約4mあります。
ですが、それを全部自由に使えるかというとそうではありません。
帯には柄付けというものがあり、その柄づけによって柄のある部分と、柄の無い部分があります。

全通しの柄づけならばどこが表に出ても大丈夫です。

お太鼓柄の帯は体に巻いた時の前のお腹のあたりにくる部分と背中のお太鼓の部分に柄があります。
柄が飛んで付いているので飛び柄とも言われる帯です。

六通柄は、帯全体の6割近くに柄があります。残りの4割は無地です。
帯は体に二回巻くので、一巻きめには柄がなくてもいいという考え方から、コスト削減で作られたのが六通柄の袋帯です。

袋帯で最も多い柄づけが六通柄です。
そこで、結んだ時に無地部が表面に現れないようにしなければいけません。
そうすると、制約を受けるのです。

もともとまっすぐな物で形を作っていくのですから、創作している気分で面白いです。
ふくら雀、竪矢、文庫は帯結びの基本となるものです。

ふくら雀は、皇室での振袖の帯結びです。
竪矢は花嫁衣装の帯結びとしてもよく用いられるので、結婚式の披露宴の参列者は結ばないというルールがあります。
文庫はシンプルすぎるので、羽を足して華やかさを出します。

形が決まった物の方が、難しいのです。
こういう形、と確たるものがあるので、その形から遠ざかればよろしくない帯結びになってしまうからです。

振袖の帯結びは一見、どんなふうに結んでいるんだろうと思うものもありますが、ふくら雀、竪矢や文庫などの形の決まった物以外は、案外簡単に作れます。

それらの帯結びは自由形と呼ばれます。
自由形というくらいですから、自由です。間違いというものはありません。
その人が結べば、それが自由形の帯が出来上がるのです。

そして、自由形の帯結びは、一つのプロセスから形を少し変えるだけでいく通りにも帯が結べます。

例えばこの帯結び

最後の羽の形を変えると、少し違った印象になります。

もっとガラリと印象を変えたければ、羽を置く位置を変えればいいだけです。

この帯も上の二つとプロセスは同じです。
右側に作った羽を、上に向けるか、下におろすかの違いだけです。

こういうことがわかってくると、帯結びはいくらでも作ることが出来ます。
創作帯結びは、私が大好きなことの一つです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする