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縮緬は平織りですが、織の組織を変化させることによって、生地表面に模様が浮き出ます。
織の組織が変わると生地も変わりますが、その名前も変わります。
縮緬地の基本は緯糸が撚糸です。
その特徴はそのままで、織の組織を変化させることにより色々な縮緬生地が織られています。
綸子縮緬
経糸に無撚糸、緯糸に駒撚糸で綸子組織で織った物です。
経糸にも緯糸にも駒撚糸を使って織られた生地もあり、それは駒綸子縮緬です。
綸子縮緬は光沢があり地紋がある縮緬で、組織は四枚破れ斜文です。
破れ斜文は斜文織が連続していないもので、一定の長さで斜文が破れています。
模様の部分には光沢がありますが、地の部分には光沢がありません。
綸子縮緬は長襦袢地に多く用いられます。
駒撚糸は1mの間に1300~1600回転の下撚りをかけた糸を2本以上引きそろえて更に下撚りと逆方向に1000~1300回転の撚りをかけています。
五枚繻子縮緬
経糸に無撚糸または諸撚糸、緯糸には強撚糸を用いて五枚綸子組織で文様を織りだした光沢のある縮緬織物です。
五枚繻子織縮緬は地に光沢があり文様は光沢がない艶消しになります。
文様に光沢がある綸子縮緬と逆になります。
五枚繻子縮緬は振袖や訪問着などによく使われます。
紋意匠縮緬
経糸に駒撚糸、緯糸には地緯として右撚り、左撚りの駒撚糸、そして絵緯として諸撚糸を用いた縮緬織物です。
この縮緬は経糸が2重になっています。
盛り上がってる部分が文様部分で絵緯が表に出ています。地緯は裏にくぐって裏の組織を作ります。
紋意匠縮緬は立体感のある織物になります。
無地染めやぼかし染めの生地として多く用いられてきましたが、最近は文様をなぞった色を挿して表現する地紋起こしの生地も多くでてきています。
訪問着、つけ下げm色無地、羽織やコート地としても人気のある縮緬地です。
その他、パレス縮緬も薄手の縮緬として使われています。
経糸に無撚糸を密にはり、緯糸にダブル壁糸を使って平織りで織られて縮緬織物です。
ダブル壁糸は強い下撚りをかけた強撚糸と無撚糸を引きそろえた糸を二組にそれぞれ下撚りと反対方向に撚りをかけ、その二組を一緒にして下よりと同方向に上撚りをかけた糸です。
このダブル壁糸を緯糸に使い製織して精錬します。
壁糸のしぼが生地の表面に現れます。そのしぼは非常に細かく、羽二重のような見た目になります。
軽くて肌触りがよく、しかも上部なので、八掛や長襦袢地に用いられることが多い生地です。
パレス縮緬は丹後地方で生産されています。似た繊維が精華縮緬ですが、産地が五泉や小松です。
同じ組織でもその土地土地で風合いの違ったものになります。