和装コート丈の長さと用途について

この記事の目次

今年の初詣は着物姿の人をいつもより多く見かけたような気がします。
わりとご年配の奥様の着物姿が目につきました。

今年のお正月は特別寒かったという印象はありませんでしたが、外に出る時はコートは必要です。
初詣で見たコートは、長コートよりも道行コートが多かった印象です。

お天気が良く、晴れたお昼間は凍えるほどの寒さではなかったから比較的丈の短いコートが多かったのか、丈の短いコートを持っている人の着物人口の方が多いからかはわかりませんが、ショート丈の和装コートにショール姿をみかけました。

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和装コートに丈の決まりはとくにありません。
礼装用には少し長めがいいとは言われていますが、それも決まりではありません。
ただし、素材については気をつけます。礼装の着物に、紬や大島のコートは着ません。

礼装の上に着る素材に気をつければ良い程度で、コート丈は好みの長さで仕立てて大丈夫です。

和装6分丈コートの出来上がり標準寸法(道行衿)

袖丈   長着の袖-1~2㎝
袖口   長着と同寸
袖付   長着+1.5~2.5cm
袖幅   長着+1cm
身丈   着丈x0.6~0.65
肩幅   長着と同寸
裄    長着+1㎝
後幅   長着と同寸または-2㎝
前幅   19㎝
衿肩明  長着+0.5cm
身八つ口 10cm
繰越   長着+1㎝
たて衿下がり 25㎝
たて衿幅 15㎝
小衿幅  1.5~2.3cm
ポケット口 13.5~15cm
ポケット下がり 肩から約40㎝
前下がり 2~4㎝

和装コートで気をつけなければいけないのは、袖丈と裄です。
裄は肩幅と袖幅を足したもので、和装コートの肩幅と長着の袖幅は同寸ですので、厳密に言うと裄というよりは、袖幅に注意が必要です。

上に着るものですから、和装コートの袖幅は長着の袖幅より長くなくてはいけません。そうでないと長着がみえてしまい、みっともなくなってしまいます。

袖の長さに注目してみてください。
和装コートの袖の長さは、長着の袖の長さより1~2㎝マイナスになっています。
マイナスと言うことはコートの袖丈の方が短いということです。

下に着る長着より、上に着るコートの袖の長さの方が短いなんて、ミスプリントだわと最初は思いました。
ですが、これはミスプリントではありませんでした。

着物を着たら帯をしめます。
帯を体に巻くことにより脇が少し上がります。結果内側、つまり体に近いほうの袖が少し上がることになります。

ですから、コートの袖丈は長着より1~2㎝短く仕立てます。
仮に同じ長さ、同寸で作ってしまったら、コートと長着の袖丈が合いません。
そうなると見た目がきれいではありません、だけの理由ではないのです。

袖丈が合っていないと、長着の振りがコートから出てしまいます。
こちらの方が見た目よりも大変なことです。

和装コートを仕立てて作られる場合は、袖丈をきちんと仕立ててもらって下さい。

コート丈の目安

長コート  留袖や訪問着の上に、また雨コートも長コートに仕立てます。
      着物の丈+1~2㎝ですが、着物を着た状態できちんと測りましょう。

九分コート フォーマル用や防寒用です。
      着丈x0.9です。
      後裾が、きものより10~15㎝短くなります。

八分コート フォーマル用や防寒用です。
      着丈x0.8です。
      後裾が、きものより20~25㎝短くなります。

七分コート セミフォーマルやおしゃれ用、防寒用です。
      着丈x0.7です。
      コートの裾が、膝あたりになります。

六分コート 半コートともよばれ、以前は最も多いコート丈でした。
      おしゃれ用、外出着用と幅広い用途があります。
      着丈x0.6~0.65です。
      コートの裾が、膝上15~20cmあたりになります。

現在の主流は半ゴートより少し長めになっていますが、これも時代とともに変わっていくことも考えられます。
和装コートは防寒だけでなく、ちりよけと呼ばれるおしゃれなファッションの一つともなっています。

きものがある程度そろったら、レースなどのちりよけを一つ作っておくときもの上級者のおしゃれが楽しめます。

ファッショナブルに素敵にきものでの外出を楽しめるアイテムである和装コートにも注目が集まっています。

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