着付けのポイント 留袖の着付けのポイントと失敗談

留袖は、ミセスの正礼装です。正礼装は第一礼装とも言います。
慶事の際にミセスが着る最も格が高い着物が留袖です。

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留袖には黒留袖と色留袖があります。
襲(かさね)がついていて、なおかつ5つ紋がついていれば、黒留袖も色留袖も同格で第一礼装となります。
黒留袖に襲がついていなかったり、5つ紋ではなく、三つ紋や一つ紋ということはありません。黒留袖は襲がついて。かつ5つ紋がついています。
しかし、色留袖は必ずしも襲と5つ紋がセットになってるわけではありません。
襲がついていなかったり、襲がついていても、紋の数が3つだったり、一つだったりすることがあります。
その理由については、また別の機会に書きますが、色留袖は少々特殊な着物の部類に入ると思ってます。

黒留袖と色留袖の着方は基本同じですが、この記事では黒留袖の着方として書いていきたいと思います。
最初にも書きましたが、黒留袖はミセスの正礼装です。
結婚式で言えば、新郎新婦のお母様、ご親族の女性の皆さまがお召しになります。

留袖を自分で着る方は少ないんじゃないかと思います。
時々結婚式場でもいらっしゃいますが、思いのほか時間がかかってしまったり、忘れ物をしてしまったり、思った通りの仕上がりにならなかったりという場面に遭遇したこともあります。

私も、結婚式場の着付けを何年もさせて頂いてますので、エピソードもたくさんありますが、自分自身の体験談をあからさまに書いてしまっては、お客様に対して失礼であり、またそれはよくないと思っていますので、他のスタッフの話を書きたいと思います。

結婚式場でお母様が留袖をご自身で着られてました。
その部屋には、お父様とお母様がいらっしゃったそうです。
他のお客様の着付けを終えたスタッフが後片付けをしていると、お母様が帯で手間取っておられるようでした。
スタッフは、基本お手伝いをしてはいけないことになっています。
その理由は、いろいろあるのですが、ここでは控えます。

お母様が、お父様に助けを求められました。
でも、お父様は、何が何だか分からない様子で、
「そうじゃない、そこじゃない、なんでそこをさわるのか」
と口論が始まったそうです。

ここで険悪なことになってはいけないと、スタッフはほんの少しだけお手伝いをしたそうです。

留袖の着付けや2重太鼓は、普段していないと案外難しく、きれいにいかないものです。
時間のことも気になると焦って、よりうまくいかなくなります。
また、着物のことがよくわからない人に手伝ってもらうのは禁物です。
何が何だか分からずに、さわってはいけないところを触ってしまうのが常です。
あげく、けんかになってしまうことだって十二分にあり得ます。

留袖に限っては、式場や美容院で着付けをしてもらったほうがいいのではないかと、私はそう思ってます。

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留袖の着付けのポイント

衿元の袷は年齢により調整しますが、礼装ですので、ややつめ気味です。
衣紋は多めに抜いたほうがきれいです。
半衿は約2~3㎝、襲は5ミリ~7ミリ程度のぞかせます。

紋の位置に気をつけます。
特に左右の紋の位置と高さが左右同じになるように着付けます。

おはしょりは帯の下から人さし指の長さくらいです。
6~7センチが目安です。

上前幅は柄を中心に見ます。
上前の柄の中心が身体の中心にくるように着つけます。

裾線は、後は床すれすれです。
前は足袋の甲すれすれです。
が、草履の高さにも注意します。
高めの草履をはく時は、裾線が短くなりますので、前は足袋の甲に少しかかるくらいがきれいです。

留袖はかなり重たいです。
それは、裾回しが共布で引き返しになってるからです。
腰紐をしっかりしておかないと、裾が下がってきます。

トイレに行ったりすることを考えると、裾線が下がっても大丈夫なように、少し短めに裾線を決めて着つけるのも一つです。
体形や、腰の位置にもよりますが、臨機応変に対応できる技術が必要となります。

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