長襦袢については以前も書かせて頂きました。
手持ちの着物の数が増えてくると、次に長襦袢に凝りたくなってきます。
凝った長襦袢はステキですが、どの着物にでも着ていいわけではありません。
この着物の時は、長襦袢はこういうものを着用しなければいけない、という決まりが特定の着物にはあります。
どの着物にどんな長襦袢を合わせたらいいのかをまとめます。
正礼装の着物の長襦袢
振袖
長襦袢地:紋綸子(もんりんず)、縮緬(ちりめん)
柄:無地、絞り、絵羽模様、ぼかし、など
色:基本はピンクやオレンジなど淡色が多く使われますが、個性的な振袖も好まれるので濃色もあり、多種多様です。
留袖
長襦袢地:紋綸子、羽二重(はぶたえ)
柄:白無地
色:白と決まっています。
喪服
長襦袢地:紋綸子、羽二重
柄:白無地
色:白と決まっています。
地紋に吉祥文様を避けます。
略礼装の着物の長襦袢
訪問着、つけ下げ、色無地、など
長襦袢地:紋綸子、精華縮緬(せいかちりめん)、変わり無地縮緬(かわりむじちりめん)、楊柳縮緬(ようりゅうちりめん)
柄:無地、ぼかし、型染め、絞りなど
色:淡色がいいです。
総模様の場合は色が多彩にならないほうが良いです。
カジュアルな着物の長襦袢
小紋、紬、など
長襦袢地:紋綸子、精華縮緬、変わり無地縮緬、楊柳縮緬
柄:無地、絞り、ぼかし、型染め、など
色:着物にあわせます。好みを生かして大丈夫です。
淡色から濃い色までつかえますし、柄も自由に選んで大丈夫です。
木綿、ウールなど
長襦袢地:精華縮緬、紋綸子、楊柳縮緬、メリンス、モスリン、化学繊維
柄:型染めなど
色、着物に合わせ、濃い色から薄い色まで、柄も自由です。
好みを生かす素材を選べます。
夏の着物
絽、紗
長襦袢地:平絽(ひらろ)、駒絽(こまろ)
柄:無地が主流ですが、柄物もおしゃれです。
色:白が主流ですが、色物もステキです。
着物や帯が主役なら、長襦袢はわき役と言えるのかもしれません。
ドラマや映画でも、脇役がきらりと光るものを醸し出すと、作品がより良いものになります。
アカデミー賞で助演女優賞や助演男優賞を受賞する女優さんや俳優さんはとてもステキです。
映画と一緒にしては無理がありますが、着物における長襦袢は、映画における助演賞にあたるほど重要だと思ってます。
着物を生かすも、殺すも、とまでは言いませんが、長襦袢におしゃれな物を着ると、着物全体のおしゃれ感が一段と増すような気がします。
留袖や喪服など、決まりごとがある場合はしっかりと守らなければいけませんが、それ以外なら、長襦袢を思いっきりおしゃれにするのって、ステキな着物のおしゃれだと思うのです。