子供の着物には、一つ身、三つ身、四つ身があります。その名称は、裁ち方(反物の切り方)によるものです。
着せる年齢を考えて裁断し着物を仕立てます。
サイズの目安としては、
一つ身は赤ちゃんから2歳ぐらいまでの幼児用。
三つ身は、3歳~4歳ぐらいまでの子供用。
四つ身は、3歳~9歳くらいの子供用。
となります。
お宮参りの初着は一つ身です。2歳ぐらいまでの着物ですが、付け紐をはずして、身上げをすれば、3歳の七五三に着ることが出来ますが、それよりも大きい子供に着せるのはサイズ的にかなり無理になります。
身上げをするのは、そんなに難しくはありませんが、かなり面倒です。着物の世界に身を置く私が言うのもなんですが、自分でやるより、仕立て屋さんや呉服屋さんに出すほうがいいと思います。
ただ、浴衣の身上げくらいは自分でやってもいいと思いますので、記しておきます。
身上げの仕方
腰上げ:まず身丈(みたけ)を測ります。身丈とは着物の長さです。
次に子供の着丈(きたけ)を測ります。着丈とは肩から足のくるぶしまでの長さです。
身丈と着丈の差を腰上げとして縫います。
縫う位置は、着丈の半分の長さを目安に折り山を決めます。以下のイラストを参考にして下さい。
AとBをあわせた箇所を縫います。
縫う時に、布が余ってくるので、内側にギャザーをとります
肩あげ:着物の裄(ゆき)と実際の裄丈を図ります。裄とは肩幅と袖幅を足した長さです。
子供に着せてみて、着物がどのくらい長いが測るほうが楽で早いと思います。
肩幅の半分の位置に折り山を決めます。以下のイラストを参考にして下さい。
AとBの位置が縫う箇所になります。
あげは袖側にたおします。
縫い方は、正式には二目落としで縫っていきますが、浴衣などはこだわらずに縫える方法で縫ってしまっても差し支えないと思います。
完成すると以下のようになります。
子供の着物には、胸のあたりに紐をつけます。
これを付け紐と言います。
子供の写真館などでは、身上げをせずに着物を着せてくれるところが多いです。肩上げはしてありますが、腰上げはしていません。これは、身長の違う子供(お客さん)に着せられるように、大人の着物と同じ着せ方をする為です。
私も写真館のお手伝いにはいかせて頂きますが、おばあちゃまやお母様が縫ってこられた身上げを、いとも簡単にほどいてしまうことが良くあります。写真館では、写真をきれいに撮ることが目的であって、子供が楽に着物を着ることは重要ではないのかもしれません。
確かに、身上げは見栄えのいいものとは言えないこともあるのです。ですが、小さなお子さんに着物を着せることを考えれば、腰上げと付け紐は必ずあったほうがいいのです。
写真館で写真をとる場合は、レンタルの着物と、自分の着物両方の写真をとるのがいいかもしれません。写真としてきれいな物を残しておきたいのなら、レンタルの着物で、お出かけする場合は、写真をきれいにとることよりも、子供が楽であることの方に重きをおいてほしいです。