昨日は七五三の着物の着付けのお仕事に行ってきました。
今シーズンの初七五三着付けです。
七五三着付け年数もずいぶん長くなり、歴にするともう15年以上毎年子供の着物を着つけていることになります。
かわいらしい着物姿に癒されるのか、忙しくまた体力も消耗しますがとてもいい気分になります。
子供の着物は簡単と思われがちですが、案外難しいです。
紐はあまりきつく締められませんし、きゃしゃな子供の体に対して子供用にもかかわらず、着物の幅はほとんどが大きすぎます。
また、おとな以上に着くずれしやすいのが子供の着物です。着くずれの理由はいくつかありますが子供は我慢しないからというのが大きな理由の一つだと思います。
七五三の子供の着物が着くずれるわけ
子供の着物は本来着くずれはあまりしません。
それは子供の体のサイズに合わせて着物を縫いとめてしまうからです。
子供の着物は男の子も女の子も下のイラストのように肩の部分と、お腹の部分にタックがとられています。
裄(肩幅と袖幅)の長さと裾の長さを測り、その長さに合わせて着物をつまみ縫いとめます。
つけ紐も着物に縫いつけて、その紐を後ろで交差して前で結べば着物が着れます。
子供の着物はこうやって下準備をしてから着せますから、着上がったら下のイラストのようにちょうどいい長さになります。
このようにして子供の着物を着せると裾がおちることもありませんし、着くずれすることはほとんどありません。
ではなぜ最近の七五三詣りでは裾が落ちて裾を引きずってしまうのでしょう。
それは着物が「レンタル」だからです。
レンタル衣装の場合肩あげは必ずしますが、子供さんによって身長が違うため腰あげはしていません。本来縫われているはずの裾が縫われていないので着付けの際には大人と同じようにお腹で紐をしておはしょりをつくります。
子供さんですから、そんなに思いっきり紐はしめませんし、仮にしっかりしめたとしても子供さん自身が我慢できなくて腰紐を触ったり上げたり下げたりしてしまいます。
また車の乗り降りや移動の際に着くずれすることもよくあります。
7歳のお嬢ちゃんですと着くずれは比較的少ないかもしれませんが、3歳のお嬢ちゃんだと着くずれはよりしやすいです。
紐が緩すぎるのが原因ということも考えられますが、あのきゃしゃな体にぎゅうぎゅうと思いっきり紐をしめるのはこちらもやはり忍びないのです。
レンタルで着物を借りる際は、すそ線は落ちてくるものと考えて、落ちるのを防ぐよりも落ちた時の対処法を把握しているほうが良いと思います。
着付けをしてくれた時に着くずれた場合どうしたらいいかを書いたリーフレットをお客さんに渡しているレンタル屋さんは多いです。
もらった用紙類は必ず確認してみてください。
子供さんにとって着物を着るのは案外負担になるのかもしれません。
お詣りをすませたらすぐにお洋服に着替えられるよう準備されることをおすすめします。
ほほえましい姿を見るとまわりも幸せな気分になります。
主役の子供さんが楽しめる七五三になるといいですね。