着物のマナーについてよく聞かれます。
着物を着た時にやってはいけないこと、こうしなきゃいけないこと、こうしたほうがいいこと、そんなことをあげれば、そりゃあ色々とあるのですが、あまり難しく考えることもないと思ってます。
例えば、着物を着た時は大股で歩いては行けません。歩幅を狭くして、小股で歩きましょう。と教えられました。
でも、着物を着たことがある方ならわかると思いますが、着物を着て大股で歩くことは出来ません。足さばきもよくないですし、足を大きく前に出すことも難しいです。
着物を着て、足が前に出る幅で歩けば、自然と小股になります。
踊りをする方は、また割をして、着物の裾を動きやすく広げるので、これは例外と言えますが、一般的に、特に着つけてもらって着物を着た場合、歩きにくいと感じると思います。
着物を着ていても歩きやすい歩幅が、着物で歩く時のきれいな歩幅になります。
こんなことも教えとしてありました。
お食事の時、自分より少し遠くの物をとる時、例えばお醤油などの調味料などをとる時ですね、そういうときは片方の手で着物の袂を軽く押えて手を伸ばしましょう。
これも、手を伸ばした時たもとが邪魔になったら自然と空いたほうの手で袂を押えるでしょう。
電車のつり革なども同じです。
ニョキッと二の腕が出そうになれば、見えないように工夫をします。
椅子に座る時もそうです。深く座らずに浅く座りましょうと言われます。
着物には帯があります。後が気になれば、おのずと深く座ることは出来ません。
こうしなければいけないと思えば思うほど、不自然でぎこちない動きになってしまい。余計に緊張して失敗してしまうことがあります。
着物を着ているときに、自分が過ごしやすい動きをすれば自然ときれいな動きにつながり、そのきれいな動きが美しいマナーになります。
着物でよそのお宅に訪問する時のマナー
行動のマナーは、自然な動きに任せれば問題ありませんが、しきたりや決まり事については、少々のことは知っておいて損はありません。
例えばよそのお宅に訪問する際のマナーですが、長着の上に着ているものは全て玄関先ではずします。ピンポンを押す前に手に持つか、持参した袋などに入れます。
もっと細かいことを申しますと、バッグやお土産、コート類は左手に持ちます。右手は軽く添えます。
着物だけではなく、お洋服でも同じです。コートのままお邪魔しますってよくありますが、コートを脱いでからチャイムを押す人がいると、あーなんかステキだなと思うことがあります。
最後に、着物で外出する時に用意しておくといい物を紹介します。
替え足袋または足袋カバー 白足袋は案外汚れるものです。自分が気をつけていても足を踏まれることもあります。
足袋カバーをはいておくか、替え足袋を持っているともしもの時にも安心です。
大判のハンカチ 食事の時に膝に掛けたり、帯にはさんだりするだけではなく、タクシーに乗る時に背もたれにあてたりします。
タクシーのシートが汚れていることもあります。ただし忘れやすいので注意が必要ですね。
懐紙 ティッシュでもいいのですが、懐紙は何かと重宝します。ティッシュ代わりのほかに簡単なメモ用紙にも使えますし、ちいさなものを包んでバッグにしまう時などにも便利です。
仮紐 もしもの時に、紐が一本あればお助けグッズになります。帯のくずれをなおす時あると便利です。こんなことはあまりないとは思いますが、袖がじゃまな時、たすきがけにも使えます。
着物のマナーは堅苦しく考えずに、自然な動きをするだけです。
着物は難しくありません。
なので、たくさんの人に来てほしいです。