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仕立てる前の着物は、反物だったり、仮絵羽だったりします。
仮絵羽の場合、仮縫いがしてある状態なので、仕立て上がった着物がどんな着物になるのかがわかります。
つけ下げの場合も、反物に袖や身頃などの印がつけてあるので、どんな出来上がりになるかがわかります。
仕立て上がりがどんな着物になるかわからないのが、紬や小紋などの反物です。
ですが、着物の構成を知っていれば、この反物がどんな仕立て上がりになるのかがわかります。また、どんな仕立てにしたいのか、希望をすることも出来ます。
同じ反物でも、仕立て方によって雰囲気がガラっと変わります。
こんな着物だったかしら?と思うことがあるかもしれません。反物で見た時の印象と、仕立て上がった時の着物が違うように感じるのは、仕立てると着物はこうなるということが、はっきりわからないからだと思います。
この反物が、着物になるとどうなるかを判断する材料は、反物の柄づけにあります。
反物を見た時に、右半分と左半分が、同じ柄、同じ色、同じ柄の配置、つまり、左右対称の柄であれば、出来上がりの印象はそこまで変わりません。
反物の左右が非対称であれば、仕立て方がいく通りかあるので、それによって、着物の印象が変わってくることを覚えておいてください。
この反物は、こんな着物になります
例えば、この絵の反物、左右で柄が違います。
片側には柄がありますが、片側は無地になってます。
これを仕立てるとどんな着物になるでしょう。
反物の平面図
着物の反物は、例外もありますが、積り方が決まっています。
反物の端から、まず袖になる部分を2枚とります。
その次に身頃になる部分を2枚とります。
その次に、反物の幅を2等分し、片方が衿に、片方が衽になります。
反物の半分に柄があって、半分が無地の場合、
衿に無地をもってくれば、衽には柄が入ります。
衿に柄をもってくれば、衽は無地になります。
反物は、体にのせてきものの形を作ることが出来ます。
反物のどちら側で衿をつくるかによって着物の出来上がりが変わることをちゃんと知っていれば、わからないまま言うなりにならずに、自分の好みを選択することが出来ます。
ただし、専門家のアドバイスは聞きましょう。専門家は着物が仕立て上がった時にどうなるのか、頭に入っているはずです。全体的な柄や色を見た時に、それできものとしてバランスがいいかどうかの判断は、やはり専門家の意見が一番だと思います。
衿と衽の部分を決めたら、この部分を衿に持ってきて、こちらが衽と指定して仕立てに出しましょう。ここの指定をしないと、仕立て屋さんの判断で着物が仕立て上がってしまいます。
気にいった反物を見つけたら、柄を確認して、出来上がりがどんな着物になるかをきちんとわかった上で購入に至れば、失敗したということはないと思います。
自分の着物に出会うのもご縁です。
この記事を読んで下さってる方が、どうかステキな着物に巡り合えますように。