祖母の着物、私時々着ることにしてます。昔の着物なので、柄のデザイン的にこれはちょっと好きじゃないな、と思うものもあります。そう感じた着物は、基本着ません。
着物は高価なものです。昔の着物は、今の着物より生地がいいことも多く、手のこんだ作りになってるものが多いのは間違いないです。
それでも、これは着ないと決めるのは、着物は素敵だなって多くの人に思ってもらいたいからです。
着物に流行はないと言われてますが、明らかに古さを感じる柄はあります。
おばあちゃんが好きで選んで買った柄が、私も好きとは限りません。好みの違いがあるからです。他の人が「自分に似合う」と気に入って買ったものは、それを私が着た時には、必ずしも似合うとは言えないと思うんです。
もちろん、それを良しとして、着るということであれば、それはとてもいいことですし、着物も喜んでくれるでしょう。
私が、仕事ではなく、プライベートで着物を楽しむ人ならば、きっと手持ちの着物リストに加えてると思います。
お洋服に置き換えてみます。着物とお洋服は違いますから、同じラインで考えることに多少無理はありますが、衣服という大きなくくりで考えてみます。
おばあちゃんや、お母さんが、これ可愛かったから、あなたに似合うと思って買ってきたのよ~ってお洋服を差し出されたとします。
これいいなーって思ったら、ありがとうと言って、着ます。
ですが、そのお洋服が自分の好みと違った場合は、お母さん、服はもう買ってこなくていいからと言ってしまうかもしれません。
母親とは好みが合わないから、お母さんの買ってきた服は着ないという若いお嬢さんはたくさんいます。反対に、そうじゃないお嬢さんもまたたくさんいます。
なのに、着物に関しては、どちらのタイプのお嬢さんでも、お母さんのがあるとか、おばあちゃんのがあると言って、新しいものを取り入れない方は多いのが事実です。原因は着物が高価だというところにあるのかもしれません。
ですが、上から下まで新しいものをそろえるのではなく、おばあちゃんや、お母さんの着物に、自分の好みの帯を合わせる、自分の好みの着物に、おばあちゃんや、お母さんの帯を合わせると、古いものが新しいものとして生まれ変わります。
私が祖母や母の着物を着るときは、必ず新しいものを一つは合わせます。
それは、帯だったり、帯揚げだったり、自分で組んだ帯締めだったりします。
私が気に入って着ている祖母の着物です。
帯は自分の好みを取り入れました。すごく新しい感じにまとめてるわけではありません。
祖母の着物を生かしながら、自分の好みを取り入れたそんなコーディネートが私は好きです。
着物姿は、とても素敵です。その素敵な着物姿を、もっともっと素敵にするのが、着物のチョイスです。高い、安いではなく、自分に似合う着物を着てほしいと思います。
私が着物を習い始めたとき、私の先生に着物をチョイスしてもらいました。高価な着物をチョイスされてびっくりしたこともありますが、今となってはあの時求めていてよかったと思ってます。
自分でわからなければ、着物の知識がある人にチョイスしてもらえばいいと思います。たとえ相手がお商売だったとしても、コーディネートの悪いものを勧める人は、まあいないでしょう。
着物に携わるものとして、あの人のコーデはダメねって言われるのは、不名誉なことだと私は思うからです。
頂いた着物を、どうか素敵に着てください。
そして、できたらそのままではなく、自分流にコーディネートをして着てみてください。着物がもっともっと好きになると思います。