この記事の目次
七五三(しちごさん)は、子どもの健やかな成長を氏神さまに報告し、これからの無事を祈る日本の通過儀礼です。初めての方でも迷わないように、七五三の基本、日取り、衣装や写真の選び方、神社での作法、費用の目安、準備スケジュール、よくある疑問までを一つの記事に凝縮しました。
- 七五三とは?起源と「7・5・3」の意味
- 七五三はいつ?日取り・年齢の数え方
- 衣装の基本:着物・袴・ドレスの選び方
- レンタル?購入?写真スタジオ?費用と賢い選び方
- 神社参拝の流れと作法
- 写真を成功させるコツ(前撮り・当日)
- 千歳飴・内祝・食事会:小物とアフターの楽しみ
- 準備スケジュール(理想形)
- 持ち物チェックリスト(コピペOK)
- トラブル回避Q&A
- 家族の服装とマナー
- 神社選びのポイント(地元・有名どころ・ロケーション)
- 写真映えの小ワザ(スマホでもOK)
- 予算を抑えるコツ
- 地域の違い・柔軟な楽しみ方
- テンプレート|七五三の当日スケジュール例(コピペ編集OK)
- チェックリスト|前日・当日の最終確認
- まとめ:家族みんなで「よかったね」と言える一日に
- 参考:用語ミニ辞典(サッと復習)
七五三とは?起源と「7・5・3」の意味
七五三は、江戸時代の武家社会で広まった三つの儀礼が起源とされます。3歳の「髪置(かみおき)」は髪を伸ばし始める節目、5歳の「袴着(はかまぎ)」は初めて袴を着ける祝い、7歳の「帯解(おびとき)」は着物の付け紐をやめ帯を締める節目を指します。幼い子どもが病気にかかりやすかった時代に、一定の年齢を迎えた無事を感謝し、これからも健やかであるよう祈る行事として定着しました。
現代では、3歳(男女)・5歳(主に男の子)・7歳(主に女の子)を対象に、家族で神社に参拝し、記念写真を撮影するのが一般的です。お祝いの仕方は地域や家庭によって柔軟で、兄弟姉妹の年齢を合わせて一緒に行うケースも増えています。
七五三はいつ?日取り・年齢の数え方
七五三の時期(参拝シーズン)
- 正式な縁日は11月15日ですが、混雑や天候を避けて10月〜11月の土日祝に前後して参拝する家庭が多数です。
- 写真スタジオや神社が空いている9月〜10月の前撮り+11月参拝、という二段構えが人気です。
- 下の子の発達状況や家族の都合に合わせて、平日参拝を選ぶと待ち時間が少なく快適です。
数え年か満年齢か
- 数え年…生まれた年を1歳とし、元日ごとに年齢を重ねる数え方。伝統的。
- 満年齢…誕生日で年齢を数える現代的な数え方。保育園・幼稚園の行事や成長に合わせやすい。
どちらでも問題ありません。お子さまの体力・イヤイヤ期・着物の負担を考え、家族が無理なく笑顔で過ごせるタイミングを優先しましょう。
衣装の基本:着物・袴・ドレスの選び方
3歳(男女)|被布(ひふ)スタイルが王道
- 軽く動きやすい被布コート+着物が定番。長時間の着用でも負担が少なめ。
- 草履はかかとに留め具がないため脱げやすい。サイズ選びと慣らしが重要。
- 寒い日はインナーに発熱素材や腹巻きを忍ばせ、写真に写らないよう首元・袖口の見え方をチェック。
5歳(男の子)|羽織袴で凛々しく
- 羽織+袴が基本。刀や扇などの小物が付くレンタルも人気。
- 袴丈や帯位置のバランスで見栄えが大きく変化。試着やサイズ調整のできるショップを選ぶ。
- トイレ問題に備えて、着付け前にトイレを習慣化。簡易クリップや洗える足袋も便利です。
7歳(女の子)|帯結びで華やかに
- 帯や帯揚げ・帯締め・しごきなど小物の色合わせで印象が決まる。
- 作り帯は崩れにくく時短。手結びは立体感が出て写真映え。
- 髪型は面(前・横・後ろ)で映えるバランスを意識。髪飾りは着物柄の差し色を拾うと統一感アップ。
フォトドレス/スーツもOK
神社参拝は和装、写真は洋装など、和洋ミックスも一般的です。兄弟でテイストを揃えるとアルバムのまとまりが出ます。
レンタル?購入?写真スタジオ?費用と賢い選び方
費用の目安
- 衣装レンタル:1〜3万円(スタジオ提携は撮影セット割あり)
- 写真撮影:2〜8万円(データのみ・台紙・アルバムで幅大)
- 初穂料(ご祈祷):5,000〜10,000円程度(神社により異なる)
- 雑費:千歳飴、髪飾り、足袋、家族の衣装など
スタジオ選びのチェックポイント
- データ納品枚数と納期、レタッチ有無、兄弟・祖父母の追加料金。
- 雨天延期の可否、持ち込み衣装の着付け可否・料金。
- 神社ロケ撮影の許可・出張費、移動の段取り(駐車場・着替えスペース)。
レンタルのコツ
- 繁忙期は希望サイズが埋まりやすい。9月までに仮予約を。
- 汚れ保証の範囲を事前確認。雨天や飲食の配慮も契約書でチェック。
- 草履・腰紐・小物の同梱有無を確認し、不足は事前に用意。
神社参拝の流れと作法
基本のマナー
- 鳥居の手前で一礼し、参道は中央を避けて歩く。
- 手水舎で手と口を清める(柄杓の持ち替えに注意)。
- 拝殿で二拝二拍手一拝。家族の健康と成長に感謝を伝える。
ご祈祷(初穂料)
- 封筒(のし袋)に「初穂料」または「玉串料」と子どもの氏名を書き、新札を準備。
- 写真撮影不可の本殿もあるため、撮影ルールの事前確認を。
混雑対策と子どもの負担軽減
- 午前早めの時間帯に参拝し、昼寝・空腹のピークを避ける。
- 着物は締め付けが強い。こまめな水分補給と休憩を。
- 寒暖差にはカーディガンやストールで体温調整。
写真を成功させるコツ(前撮り・当日)
前撮りのメリット
- ゆったり時間が取れ、表情・ポーズのバリエーションが増える。
- 当日は参拝に集中でき、子どもの負担軽減に。
当日の撮影ポイント
- 神社のシンボル(鳥居・狛犬・社殿)を背景に、家族集合・兄弟ショットを押さえる。
- アップ+全身+引きカットの三点セットでアルバム映え。
- 自然光の順光・逆光をチェック。順光は鮮やか、逆光はふんわり。
千歳飴・内祝・食事会:小物とアフターの楽しみ
七五三の象徴ともいえる千歳飴は「長寿・健やかな成長」の願いが込められています。内祝いは祖父母やお世話になった方に、写真入りメッセージカードやスイーツを贈るのが人気。参拝後は家族で会食し、成長の節目を言葉にする時間を持つと、お子さまの自己肯定感が高まります。
準備スケジュール(理想形)
- 3か月前(8〜9月):神社選び・写真スタジオ比較・衣装リサーチ。仮予約。
- 2か月前(9〜10月):前撮り実施。サイズ確認・小物不足を洗い出し。
- 1か月前:ご祈祷の予約・初穂料準備・家族の服装決め・移動手段確認。
- 1週間前:体調管理・爪切り・靴擦れ対策。天気予報チェック。
- 前日〜当日朝:持ち物最終チェック、早めの出発で余裕を。
持ち物チェックリスト(コピペOK)
- 初穂料(のし袋・新札)/ 身分証/ 神社の予約確認
- 衣装一式(着物・袴・被布・帯・腰紐・伊達締め・足袋・草履・髪飾り)
- 安全ピン・予備腰紐・クリップ・ハンカチ・ウェットティッシュ
- 飲み物・小さなおやつ(チョコは溶けやすいので注意)
- 上着(寒暖差対策)/ 替えの靴(草履が痛い時用)
- スマホ+モバイルバッテリー/ ミラーレス・一眼(充電・SDカード)
トラブル回避Q&A
Q. 子どもが着物を嫌がります。
A. 事前に短時間の試着を何度か行い、お気に入りグッズやごほうびを用意。被布・作り帯・軽量草履など負担の少ない選択を取り入れましょう。
Q. 雨天のときは?
A. 予備日を設定しておくと安心。参拝は短時間にして、屋根のある回廊での撮影や、別日にロケーション撮影へ振替も検討。
Q. 神社とスタジオ、どちらを先に?
A. 着崩れ・疲労を考えると、前撮り+当日参拝が理想。当日に両方行うなら午前:参拝/午後:スタジオで体力配分を。
家族の服装とマナー
- 父:ダークスーツ(ネイビー/グレー)+白シャツ+シンプルなネクタイ。
- 母:セミフォーマル(訪問着・付け下げ・セレモニースーツ・落ち着いたワンピース)。
- 祖父母:会場・季節に合わせた落ち着いたフォーマル。写真は無地・小柄だと主役の子が引き立つ。
神社選びのポイント(地元・有名どころ・ロケーション)
- 氏神さま(地元):アクセス良く、混雑少なめ。地域とのつながりを深めやすい。
- 有名神社:格式・雰囲気が出る反面、予約・混雑に注意。
- ロケ映え:朱塗りの鳥居、緑豊かな参道、回廊や庭園など背景の美しさも判断材料に。
写真映えの小ワザ(スマホでもOK)
- 順光で色鮮やかに、逆光でやわらかく。顔に影が落ちたらレフ板代わりに白いハンカチを。
- 主役を手前に、家族は半歩引いて三角構図で安定感。
- 立ち→座り→歩きなど動きのあるカットを混ぜる。飽きる前に短時間で勝負。
予算を抑えるコツ
- 早割・平日割の活用:スタジオやレンタルは平日が狙い目。
- 兄弟で衣装のシェア、親族からのお下がりを上手にリメイク。
- データ納品中心にして、アルバムは後日セール時に注文。
地域の違い・柔軟な楽しみ方
千歳飴のデザインやご祈祷方法、親族の集まり方は地域差があります。「こうでなければならない」はありません。家族の価値観とお子さまのペースを大切に、無理のないアレンジで祝うのがいちばんです。
テンプレート|七五三の当日スケジュール例(コピペ編集OK)
08:30 起床・朝食(軽めに)/ 爪・髪の最終チェック 09:30 着付け・ヘアメイク開始(自宅 or サロン) 10:45 出発(渋滞・駐車場混雑を見込んで早めに) 11:15 神社到着 → 手水・参拝写真 → ご祈祷(約20〜40分) 12:30 家族写真・スナップ(鳥居・参道・社殿前) 13:15 昼食・休憩(着崩れ調整) 14:30 予備カット撮影 or 帰宅
チェックリスト|前日・当日の最終確認
- ご祈祷予約・初穂料・撮影可否・駐車場の確認はOK?
- 衣装サイズ・小物不足なし?(腰紐・足袋・草履のサイズ)
- 子どもの機嫌対策(睡眠・おやつ・お気に入り)準備OK?
- 天気予報・寒暖差対策・雨具&替え靴の用意は?
- カメラの充電・SD残量・スマホの空き容量は十分?
まとめ:家族みんなで「よかったね」と言える一日に
七五三は、完璧にやるよりも笑顔で過ごすことが一番の成功ポイントです。混雑を避ける計画、子どもの負担を減らす衣装選び、短時間集中の撮影、そして神社への感謝の気持ち。この記事のスケジュールとチェックリストをベースに準備すれば、初めてでも安心して臨めます。家族の節目を、とっておきの一枚と心地よい記憶に残しましょう。
参考:用語ミニ辞典(サッと復習)
- 初穂料:ご祈祷などの謝礼。のし袋に入れて奉納。
- 被布:3歳用の袖なし上着。軽く着崩れしにくい。
- 作り帯:形ができている帯。短時間で崩れにくい。
- 前撮り:参拝日とは別日にゆっくり撮影すること。

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