美しいプロポーションの原型の体形は、胸が大きくて、ウエストがきゅっと細くしまってて、いわゆるナイスバディと言われています。
これは、洋服の場合の当てはまる美しさであって、着物の場合には全く当てはまりません。
着物における美しいプロポーションは、円筒形なんです。
言葉は好きではないですけど、寸胴体形です。ドラえもんとかおばQみたいな体形ですね。
余談ですが、教室でおばQの話題をだしますと、少し前ならうんうんとみなさんうなづいて下さいましたのに、最近はおばQを知らない年代の生徒さんもいらっしゃって、こんなところで時代の変化を感じたりいたします。
着物姿をきれいに見せるには、円筒形の体形を作ってその上に着物をまとうことです。
自分の体形を円筒形にするために補正をします。円筒形の身体は女性としてはうれしくはありませんが、着物をきれいに見せるには必要なプロセスになります。
これも、考え方としてはいろいろあるんです。昔の人が着物を着るのに補正をしていたでしょうか?
花嫁衣装などの礼装の場合はまた違いますが、普段着はざっくり、そのまま着ていたんだと思うんです。日常生活に着物を着ていた時代は、紐のあたるところに何かおいていたかもしれませんが、美しく見せるための補正はおそらくなかったと思います。
どういう補正が着物を美しくするのでしょうか?
たとえばウエスト、
補正がないとかえって太って見えます。
一昔前、スーツが流行っていたころ、私たちは会社にはスーツで行きました。
今はラフですね。Tシャツやスエットなどで会社にいくなんて考えられない時代があったんです。
少しでも細く見せたい、スカートは11号なんて言いたくない。
「私のスカートは9号です」って言いたくて、少しきつめのスカートをはいたりする人もけっこういました。
そうするとですね、スカートのウエストの上下がボンッってふくれて、よけいに太く見えるという悪循環が生まれたりしまして、まあ、女性はいつの時代でもスタイル良く見せたいという願望があるんだというお話です。
今回はウエストのお話しをしましたが、着物姿を美しく見せる補正は、他にもいろいろあります。
人間十色で、体形は人それぞれ違います。
自分にあった補正をすれば、着物姿はより美しくなります。
もちろん、私はそんなつくったものはいや、自然体が一番という方や、私は補正なんかいらない体形だとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
補正の目的は、実は身体を円筒形にするだけではありません。
次回は、そんなお話も含めて書いていこうと思います。