着物の名称を3回に分けて書きました。
今回がその最後になります。
各部分の名称(前回の記事内との重複もあります)
後ろ身頃(うしろみごろ)
きものの身頃、肩山から後側の部分です。
前身頃(まえみごろ)
きものの前部の身頃で、袖と衽の間の肩から裾までの部分です。
衽(おくみ)
前身頃の横の細長い部分です。
反物の幅の半分が衽にあたり、もう半分は衿になります。
衿(えり)
首のまわりを囲んで、胸元で交差する細長い部分のことです。
言葉で書くと、なんだか変ですね。
衿のわからない人は多分いないと思うんです。
イラストで表すとわかりやすいのに、文章にするとわかりづらいこと、着物の世界じゃなくても、ありますね。
掛衿(かけえり)
衿の汚れや傷みを防ぐために、衿の上に重ねてつけた衿です。
共布なのでわかりにくいですが、着付けの時はここを基準にして衿の幅や左右のバランスを決める重要な個所でもあります。
剣先(けんさき)
衽先とも言います。
衽の上端で衿と接する部分の名称。剣のようにとがっているその先端部分です。
八掛(はっかけ)
裾回し(すそまわし)とも言います。
袷の着物の裾の裏部分ですが、裾部分だけではなく、袖口、衽の裏にもついてます。
歩いたときや、裾が少しめくれた時。あるいは裾や袖口からチラリと見える八掛は着物コーディネートの大切な個所の一つです。
隠れたおしゃれといいましょうか、ここにこだわりたくなってくるのは、着物好きの性でしょうか。ステキな八掛けを付けている人を見ると、あー着物の上級者だなー、ステキだなーって思います。
褄先(つまさき)
褄の先端(角)のことです。
くりこし
肩山から衿肩明までの長さです。
着物の衿を後ろに抜きやすくするためにあります。
着物のくりこしと、長襦袢のくりこしが同寸でないと、襟元がきれいに決まりません。
3回に分けて書きましたが、改めて思うことは、文章にする方がややこしい(笑)ということです。実際に着物を触りながら、ここが○○よって言ったほうが簡単だしわかってもらいやすいです。
着物の名称は知らなくてもいい知識かもしれませんが、知らなくてもいいことを知ってる豊さとか、自分の知識の引き出しにたくさん詰まった中身の量や深さや広さは内面からにじみ出てくる美の一つだと思ってます。
たくさんの方が着物を好きになって、内面と外面共に、とびっきりのおしゃれを楽しんで頂きたいなと思います。
きものについて、これからもたくさん書いていきたいです。